インタビュー【株式会社スズケン 係長 我謝 由季子 さん】 

今回お話を伺った方

株式会社スズケン 薬事管理部 係長 薬剤師 我謝 由季子 さん

医薬品卸売業を中心に、医薬品の研究・開発・製造、医薬品メーカー支援、保険薬局、介護に至るまで医療と健康に関わる分野で幅広く事業展開するスズケングループそのグループの中核を担う株式会社スズケン 薬事管理部で係長 薬剤師として活躍する、我謝由季子さんに、ご自身のキャリアライフと女性リーダーの未来についてお話を伺いました。

-御社の事業内容を教えてください

「健康創造」という事業領域を掲げる当グループは、私たちを取巻く全ての方々に笑顔になっていただきたいと思い、活動しています。

地域に密着した医療品卸売事業を通して、医療と社会を「つなぐ」こと。

そして、医薬品、医薬機器製造事業を通して、今までになかった新しい価値を「うみだす」こと。

保険薬局事業、介護事業を通して、「人びとが笑顔で健康にすごせる地域社会づくり」を「ささえる」こと。

「つなぐ」「うみだす」「ささえる」のバリューチェーンを構築し、世の中の皆さまにとって「医療と健康になくてはならない存在」を目指しています。

 

-働き方について周囲と話し合うことが大切だと思います-

 

●Career Story Of Her

子育てとの両立という時間的な制約が、効率化を考えるよいきっかけになったと感じています。

2002年新卒で入社。

大学院時代に薬学の研究をしていましたが、仕事として私は研究職が向いていないと感じました。

そこで研究職とは違う分野で薬剤師の知識が活かせるのではないかと思い、当社に入社しました。

支店内の医薬品の品質及び法令を遵守した販売や、取扱の管理を担う管理薬剤師として複数の支店で経験し、二人目の産休復帰後に本社へ、それから7年経ちました。

今年の1月より現職。

現在は、医薬品を販売するために必要な各支店や得意先の許認可管理、管理薬剤師向けの研修教材の企画などをしています。

 

-仕事での困難をどう乗り越えてきましたか?

子育てとの両立では、どうしても時間的な制限があります。

その中で、仕事のやり方を見直し、効率化しなくてはいけない状況になって、むしろ鍛えられたと思っています。

ただ、今思えば、子どもが小さい頃、上司ともう少しコミュニケーションを取れば良かったと反省しています。

私がバタバタしているのを見て、出張の命令も出しづらかったみたいなのです。

出張に行けないわけではなかったので、どこまではできて、これ以上はできないということを、上司と細かく話し合った方が良かったと思いました。

育休復帰後の働き方については、人によって考え方や状況も様々だと思うので、お互いが理解し合って気持ちよく働くにはどうしたらいいか、周囲の方々ときちんと話しあった方がいいと感じます。

 

-応援してくれた人、周囲のご協力は?

やはり主人の協力が大きかったと思います。朝、子どもたちを保育園へ送ってくれたり、子どもの具合が悪くなれば主人が休んで看病をしてくれるなど、助かりました。

そして、産休復帰後は、周囲にいた方々には随分お世話になりました。

短時間勤務を選択していましたので、勤務時間が限られて仕事が充分できないと悩んでいた頃、当時の課長に、「その時期を卒業したら、また普通に働けるのだから、今は焦らなくていいのだよ」と声を掛けてもらったことは救いになりましたね。

目先のことで一杯一杯になってしまいがちだったので、もう少し長い目で考えればいいのだということに気づかされました。

それから、新入社員の頃からアドバイスをいただいていた女性の先輩が、今は直属の部長で何かとお世話になっています。

現在女性で管理職を担っている方々は、この部長も含めて、ご本人の能力も高く、いわゆるバリキャリの方々なのですが、

部長から「私達がある意味道を作ったので、次は、子育てもしながら働いている世代として、後輩に道を作って欲しい」と言われた時には、次世代のことも考えてくれていることに感動しました。

子育てだけではなく、介護をされている人、様々な状況の人が働きたいと望めばかなえられるという環境を作るために、私も貢献できればと思っています。

私個人の環境としては、子どもが2人で夫婦共に実家が遠いので、両親に頼るわけにはいきませんでした。でも、保育園もゼロ歳児からすんなり入れましたし、下の子が保育園の時に骨折した際も、たまたま近所に病児保育をしてくれる保育所ができて1ヶ月間預けることができましたので、恵まれていると思います。

小学校に学童保育の場が設置されていたことも助かっています。

 

―社員への支援制度にはどんなものがありますか?

当社では、性別・年齢・国籍・価値観・働き方などが異なる個性あふれる社員が、互いに競い合いながら成長していく「個を活かす」風土を醸成するため、ダイバーシティの推進に力を入れています。

その中で、女性の活躍推進については、会社の方向性を決める階層に多様な考え方や価値観を取り入れることを目的に、特に女性リーダーを継続的に輩出することに加えて、仕事と育児の両立支援に取り組んでいます。

育児休業は2歳に達するまでに、保育所に預けられなかった場合に限り満2歳の年度末まで取ることができます。短時間勤務は小学校6年生まで取得可能なので、夏休み、冬休み期間だけ学童保育の送り迎えのため、私も短時間勤務を活用しています。

ただ、私が産休を取得した時よりも、今は職場に復帰する女性社員も増えていますし、支援制度も格段に充実しています。その制度を上手に活用してもらえれば、後輩たちの活躍が進むと感じています。

 

「できないことではなく、これからできることは何かを考えるようにする。他人と比べないことが大切」

―日本の女性リーダーに必要なメンタルは?

女性管理職の増加を推進するために、会社の支援制度の整備と、男性、女性どちらも相手を受け入れる意識改革の2つが必要だと思います。

女性の方が覚悟を決めれば、オカン的な強さがあると思いますので、腹のくくり方次第だと思います。

子育て中に早く帰らざるをえなくても、成果を出そうと考える気持ちも大事ではないでしょうか?

もちろん、そうは言っても成果が出ないこともあります。そんな時も、他人と比べてできないことばかり気にするよりは、今後できることは何かを考えることも大切だと思います。

 

―日本の女性リーダーに必要なスキルとは?

女性は納得しないと動けないという性質があると言われています。私の周りの女性管理職の方も、自分がリーダーになると、きちんと自分の意見を伝え、またその伝え方にも配慮する方が多いように思います。

また相手の立場に立った女性ならではの発想など、柔軟で多様な考えができる女性がリーダーになっているように思いますね。

 

我謝由季子さんのライフスタイル

毎朝出かける前にしていること

6時前に起床

お弁当を作って、朝食。必ずお味噌汁やスープなど汁物を作るようにして、これで野菜を取ったことにしています。

洗濯をして7時半前に出掛けます。

小学校3年生、6年生の子ども、夫の4人家族の中で、実は私が一番先に家を出るのです。

朝はもっと余裕を持って行動したいのですが、いつもバタバタで出ています。

出社後の習慣

メールチェックと社内の業務連絡、その他情報の確認など。

業界の情報をチェックしたり、法律に関する新たな情報のチェックなど、毎日必ず新しい情報を得るようにしています。

帰宅後の習慣

終業時間(17時15分)後、片づけしてすぐに退社。学童保育へ迎えに行って19時過ぎに帰宅。

子ども達と夕飯を食べるのは20時過ぎ、その後家事をやっていると、寝るのはだいたい24時過ぎになってしまいます。

もっと早起きして、朝の時間を有効に使いたいのですが、どうしても起きられなくて・・早起きできる秘訣を知りたいです!

 

■企業情報

名称/株式会社スズケン

代表者/代表取締役会長 別所芳樹 代表取締役社長 宮田浩美

創立/1932年11月13日

従業員数/単体 4,804名 連結 16,208名(2016年3月末)

URL http://www.suzuken.co.jp/

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