インタビュー【株式会社セキュリティ  警備員 仲田とし子 さん】

【写真は左から 尾崎梨恵子さん・大瀧貴子さん・仲田とし子さん(今回取材者)
・藤根路子さん・豊福慈未さん (仲田さんの仕事現場の仮囲い前にて)】

 

今回お話を伺った方

株式会社セキュリティ 警備員 仲田とし子 さん

株式会社セキュリティにて警備員として活躍されている仲田とし子さんに、ご自身のキャリアライフと女性の働きやすさについてお話を伺いました。

今回の取材場所は、仲田さんが警備員として派遣されている三井住友建設株式会社のビル建築の現場。

警備員は派遣される現場での環境に左右されるために、『女性が働きやすい職場環境作り』を進めている三井住友建設株式会社の現場は女性にとって働きやすいとのことでした。株式会社セキュリティは、三井住友建設株式会社の協力会に加盟し、女性活躍推進に向け一緒に取り組まれています。

そこで、株式会社セキュリティの仲田さんのお話を伺うと共に、働く現場としての三井住友建設株式会社が進めている取り組みも取材させていただきました。

 

御社の概要を教えてください

弊社では、交通誘導警備をメインとし、その他雑踏警備や施設警備などを行っています。

埼玉県から営業を開始し、今年で30周年、現在では、埼玉県や東京都内においては、三井住友建設株式会社を筆頭に大型の建設現場などに従事。また、震災後間もなく宮城県等にも営業所を設置、復興支援のための警備業務も行っています。

「企業は人である」の経営理念から、同業他社にはない独自の採用システムを構築し、入社後も専任教官による一貫した教育システムで、学卒、高齢者、女性、生活困窮者等、様々な人材が活躍できる場所を提供してきました。設立当初より、地方採用を行い、農閑期に出稼ぎしたい就労希望者へ寮や家財道具一式を提供、また、生活困窮者等の生活基盤を確立する為、安定した業務の提供など行っています。

その中でも、女性活躍推進には以前より注力してきており、現在では、役員・幹部に就く女性は70%を超える会社となりました。女性が活躍している場所へご案内し見学していただき、ブルーカラーと認識されるイメージを払拭する取り組みも行っています。

 

 

ー社員一人ひとりを尊重してくれる働きやすい環境に感謝しています。

●Career Story Of Her

 

完成した時の喜びは大きいです。仲間と支え合いながら働いています。

働く意義、働く上で大切にしていることを教えてください

22年前に弊社に入社し、警備員としてずっと務めています。
仕事としては、ビルや橋などの建設現場での警備員です。主に現場の車や人の交通誘導をし、現場周辺の第三者の方々の安全安心を守る業務です。危険と隣り合わせの仕事なので、緊張感を持ちながら毎日務めています。
一つの現場には、何ヶ月も毎日いることが多いので、現場にいる方々が皆ファミリーのようになって働いています。若い方が多いので、私はさしずめお母さん的な役割でしょうか(笑)

私達警備員は、近所の方々に最初に接する人間なので、建設現場の顔となります。
大きなトラックが出入りする建設現場が近くにあると、特に子供さんやお年寄りは怖いと感じると思いますから、現場の前を通る方々にはきちんと挨拶や声掛けをしたり、現場の周りに花を植えたり、周辺を掃除したりして、少しでも明るく安心感を与える雰囲気になるように配慮しています。

長い期間接しますので、顔見知りになることもあります。顔なじみになってお話ししてくださることによって、少しでも怖さを感じないように安心していただけるといいなと思います。

歴史に残る大きなビルや橋、公共の建築物などに携わることが多いので、出来上がった建築物を見ると、自分が一旦を担ったのだと感慨深いものがあります。仕事を誇りに思えることは幸せです。

 

-働きやすさはどんなところですか?

仕事を始めた頃は大きな車が行き交う現場が怖かったのですが、すぐに慣れました。その頃は周りも男性ばかりで、女性も少なく、更衣室がない現場も多かったですね。現在は女性も増えたので、女性専用の更衣室や女性用トイレも完備されていることが多く、本当に働きやすくなりました。
また、子育てなどしながら働いていく上で、急遽お休みをしなくてはならない時があります。そのような時にお休み等融通をきかせていただけるところですね。周りの人々が助けてくれる温かい雰囲気があります。
普段、職場には早めに出勤し準備をします。しかし、今の現場は御指名をいただいたものの、家から離れているので、早くに来ることができないのですが、他の社員がフォローしてくださいます。私は随分皆さんに支えられていると感じています。

以前、安全優良職長として、厚生労働大臣顕彰を受賞致しました。これもひとえに周囲の方々のおかげであると感じています。
警備員に対しての世間のイメージは、女性は働きにくいのではと思われがちですが、男女共遜色なく仕事ができますし、むしろ女性が現場にいることで職場の雰囲気が柔らかく、明るくなって感謝されることが多いです。働きやすいと思いますよ。
 

―社員への支援制度にはどんなものがありますか?

弊社では、女性が積極的にこの業界へ進出できるよう、ワークライフバランスの実現や、女性はもとよりすべての社員が能力を十分発揮できるような働きやすい労働環境を整備することに積極的に取り組んでいます。
具体的な支援制度としては、
1.社員の意識改革のため、各種研修を実施。
・管理職のための社員育成方法の教育(部下に女性をもつ場合等)
・営業、管制、教育、人事等、全ての分野で女性が活躍できる体制の構築
・警備業に必要な検定資格等、積極的に女性が受講できる体制の構築
・女性リーダー候補者のためのキャリア研修
2.環境の整備(コミュニケーションの場の設定)
・部署を超えた同性の先輩からのアドバイス、交流タイムなどの設定(所属も別々の女性全員で意見交換等)、「女性だらけの懇親会」を開催。
・年齢の近い先輩に相談が出来る様にと、若者のみ所属の「チームSKY」を結成。バーベキュー大会や、社員研修旅行等で、懇親を深め業務に対してのモチベーションアップに繋がっています。このような取り組みを継続的に行うことで、コミュニケーションの促進と女性自身のキャリアを見つめる機会につなげています。

 

<同時に取材した大瀧貴子さんのインタビューも一緒にご覧ください。こちらに掲載しています。>

 

三井住友建設株式会社の建設現場での取り組み

建設現場の女性用トイレ。男性トイレとは隣り合わせではなく、離して設置されている。

「けんせつ小町」とは、建設業界で働く全ての女性の愛称です。(「けんせつ小町」について詳しくはこちらをご覧ください)
建設業界一丸となって、女性にとっても働きやすく、働き続けられる労働環境の整備を進めています。
三井住友建設は、平成26年12月1日より「ダイバーシティ推進委員会」を設立し、経営トップの強いコミットメントと社員の意識改革の下、女性、外国人、シニア、障がい者等の積極的な登用を図るとともに、多様な人材が活躍できる企業風土づくりを実現するため活動しています。
中でも、女性活躍推進については、女性の取締役就任が業界でも一番早く、業界を引っ張っていくという気概を持って、全ての社員がその能力を充分発揮できるような働きやすい労働環境を整備することに積極的に取り組んでいます。

実際の建設現場では、男女別のトイレの設置はもとより、そのアクセスを変えることでストレス無く働いていただけるよう配慮しています。また、女性専用の更衣室も完備、シャワーブースも設置しています。
三井住友建設株式会社けんせつ小町のスローガンは、仮囲いに掲示していますが(トップ画像参照)、作業現場内の休憩室などにも垂れ幕を掲示したり、全員けんせつ小町のバッチを胸元につけることにより、意識の啓蒙に務めています。

現場に女性が入ることによって、明るくなりますし、男女問わず皆がコミュニケーションを積極的に取るようになり、良い影響が生まれます。

<三井住友建設株式会社 副所長 安野建輔さん談>

 

-実際に働いている女性社員の方はどう感じていますか?三井住友建設株式会社

男女の区別を感じることは全くありません。200人ほどの現場で女性は数人なので、むしろ目立って声を掛けていただいたり、良いことの方が多いと感じています。

女性が多い職場よりも、言いたいことも言いやすくさっぱりした職場環境なのではと思います。

私はこのような環境が好きで、働きがいがあります。

<三井住友建設株式会社 豊福慈未さん談>

 

 

■企業情報

名称/株式会社セキュリティ

設立/昭和63年2月5日

所在地/本社:埼玉県所沢市喜多町17-11   気仙沼復興事務所:宮城県気仙沼市南郷2番地7 南郷会館104号室

代表者/上園 俊樹

URL http://www.security-guard.jp/

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