- 2016-4-11
- 独自取材
今回お話を伺った方
LFC株式会社 取締役 ラブリークィーン株式会社 取締役
井上 富紀子 さん
婦人服を中心にした既製服の発送や、在庫の検品、管理など、物流加工事業を行っているLFC株式会社。なかでも創業から会長の片腕でもあり、ご自身の生き方も素敵な取締役、井上富紀子さんに、ご自身のキャリアライフと夢についてお話を伺いました。
-御社の事業内容を教えてください
当社は、2003年衣料品製造販売のラブリークィーン株式会社が物流部門を独立させる形で設立されました。
アパレル物流事業としては、アパレルの中でも最高のクオリティを求められるブラックフォーマルを20年取り扱ってきた物流ノウハウが蓄積されています。
通信販売の物流事業としましては、当社は自社で通販事業も行っておりますので、事業者様がお困りのことや「もっとこうだったらいいのに!」というお声に素早く対応させていただくことが可能です。
会社設立より大家族主義経営の考え方に基づき家族(従業員)の皆様が幸せになる会社を目指して活動を続けています。
それは、「社員満足」→「お客様満足」→「会社満足」→「社会貢献」につながる良い循環の輪を作り上げることです。
そのために、毎朝掃除と朝礼で経営方針書を読み込んで、全スタッフにその心を伝えるように努力しています。
当社の従業員132人のうち、60歳以上の高齢者が30%、障がいのある人は7%、女性が約70%です。
「社会とのかかわりを大事にしていること」「社員の意欲を引き出していること」「顧客の要望に合った商品やサービスを提供していること」の三点を基準に、経済産業省から2014年度の「おもてなし経営企業」全国22社の1社として選ばれました。
また、人を大切にする経営学会が主催する「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の実行委員長賞を2014年に受賞しました。
高齢になっても働けるように定年がない、障がい者が働きやすい社内環境にしようと、ひと目でわかるように道具や機器を色分けしたりなど、高齢者や障がい者、女性の雇用におけるモデル企業のような存在でありたいと努力してきた結果だと感謝しています。
●Career Story Of Her
新しいことに挑戦するときに大切なことは、現在の自分の能力を考慮して、
できるかできないかを予測することではなく、出来ると思ってしまうこと。
まずは目標を決め、それを達成するための方法を考えます。
元々は夫が立ち上げたラブリークィーン株式会社に所属していましたが、30代前半に独立、1985年テイクオフ株式会社を設立しました。
エアロビクスとジムのフィットネスクラブを運営。エアロビクスが日本で流行りだした頃でしたね。私はデザイナーなので、自分で作ったレオタードを着ていたのですが、仲間から「どこで売ってるの。欲しい」と言われたことをきっかけに、販売することになりました。
年商1億円のスポーツウェアのメーカーとして、オーストラリアからスポーツウェアなどを輸入して販売したりもしていました。
オーストラリアと縁ができたことで留学エージェントもするなど、やりたいことはどんどん開拓しながら広げていきました。
現在もこの会社は残っていますが、2006年ラブリークィーンに戻りブランディングを担当、LFC株式会社の役員にも就任しました。
-ターニングポイントは?
この起業した経験が私のキャリアのターニングポイントになりましたね。
起業というものは、自分で目標を立て、それを達成していきますよね。
私はとにかく、できるかできないかは関係なく、こういうことをやりたいなと目標を立ててしまいます。
それから、達成するためにはどうしたらいいか、方法を考えます。
だからこそ、様々な挑戦ができたんだと思いますね。
当社においても、このやり方で改革を進めていきました。
-社員への支援制度にはどんなものがありますか?
皆が働きやすいよう、環境作りをしています。
お子さんがいらっしゃるスタッフは、勤務時間の短縮はもちろんのこと、夏休みなどの長期休暇の間は、午前のみの勤務や週3日勤務という調整が可能です。
お孫さんの出産で、娘さんが実家に里帰りしている時にも、休暇申請可能。
ご老人と同居していて、介護が必要になった場合は、働けるようになったら職場復帰できます。
上記以外にも、全社員からアンケートで要望を聞き、対応できることは改善し、できないことはきちんと説明をして理解を得るようにしています。
また、四半期ごとに課長、部長との三者面談をして、仕事や家庭の悩みごとを聞く場を設けています。やはり聞くことは気持ちが晴れることにつながるようですね。
さらに、会社としてスタッフさんの協力が必要であることを、スタッフ勉強会や朝礼などで伝えるようにしています。
当社は、高齢者、障がい者、女性の割合が多く、多様な働き方を皆で受け入れながら、一人ひとり働きやすい環境作りに努めています。
「相手を思いやれる心が大切です」
―日本の女性リーダー育成に必要なメンタルは?
相手の気持ちに気づけて、思いやれることだと思います。
また、人生の中で、働いているときは熱中してほしいなと思うんです。
働くのも、趣味も、家庭も、どれもそこそこだと、それなりな物しか得ることができないので、働く時はそこに気持ちを集中すると充実するんではないかなと思っています。
―日本の女性リーダーに必要なスキルとは?
結婚も子育てもすることによって、人間として厚みが出るように思います。
もちろん一人ひとり状況は違いますが、キャリアを積むために結婚や子育てをあきらめることなく、そういう経験をした女性の仕事は味が出ると思いますね。
-年を取ることが楽しいと思える人生-
井上富紀子さんのライフスタイル
挑戦していることは?
58歳の時に、これまでやっていないことに挑戦しようと、トライアスロンを始めました。
昨日の自分よりほんの少しでも成長することを目標に、トレーニングしています。
今は、年を取るのが楽しいんですよ。
なぜかと言いますと、トライアスロンには5歳刻みの年代別に競う制度があるので、年を取って上の段階に行けばその枠で一番になろうと目標が立てられるからです。
今年はちょうど年代枠の一番若い年齢になるので、日本で3位までに入りたいなと思っています。
モットーは?
「気づいた事を行動に移す人は、自分の人生を変えられる」
これからの夢は?
表に出てきていない、社会的弱者の方の支援がしたいなと考えています。
表に出ていれば気づいて改善されることもあるのですが、
出てこない課題がたくさんあります。
既に色々活動を始めていますが、これからも力が及ぶ限りやっていきたいと思っています。
■企業情報
名称/LFC株式会社
代表取締役社長/井上 剛典
設立/2003年6月