第2回地域ダイバーシティ in 岐阜 を取材してきました

●開催日:平成28年9月9日 17時から19:30まで

●場所:損害保険ジャパン日本興亜株式会社 岐阜支店

●参加者:19企業44名の女性

この活動は、岐阜県と協働で損害保険ジャパン日本興亜株式会社が行っているもので、岐阜県内における企業の女性活躍推進を目的とした異業種交流会や子育て支援制度の充実に向けた施策の一環です。

2016年2月に立ち上がり、5月18日が第一回、今回は第二回目の活動でした。

 

【開会挨拶】

損害保険ジャパン日本興亜株式会社 岐阜支店長 金井徳幸さん

損害保険ジャパン日本興亜株式会社                 岐阜支店長 金井徳幸氏

岐阜県健康福祉部子ども・女性局 局長 鈴木裕子氏

岐阜県健康福祉部子ども・女性局                    局長 鈴木裕子氏

 

 

 

【第一部】

株式会社ママプロ 代表取締役 木村麻理さん

講演「明日からできるワーイフバクラランス」

ワークバランスは、仕事と私生活のバランスを取ることといった認識や、ゆとりを持ってほどほどの働くことと捉えられている場合があるが、どちらも違っていて、「ライフが充実すれば人脈やアイディアを得ることができるために、結果的に仕事の質や効率が上がる」と捉えるべきだという話が印象的でした。

株式会社ママプロ 木村麻理さん

株式会社ママプロ 木村麻理さん

日本でのワークライフバランスの実情は国際的に見ても惨憺たるありさまで、このままでは来たり来る少子高齢化による労働人口の減少に対応困難になるために、出生率の向上と女性の継続就業が必要だと国を上げて取り組みだしています。

そういう背景の中で、子育てと介護をしながらも働き続ける制度作り、組織作りが求められている現状をデータを使いながら説明されました。

その後、子育て期の女性の再就職問題から、制約社員が働き続けるために何が必要かという視点で後半は続きます。

岐阜県の有効求人倍率は全国3位で、採用に困っている企業が多い。さらに、能力があれば男女を問わず雇用し、能力を活用したいという企業も出てきている。

しかしながら、岐阜県では、子どもができたら一旦仕事を辞めて、大きくなったら再び働きたいと20160909004いう考え方の人が多いというデータがあります。

子育てしながら働くには、ワークライフバランスを保ちながら、プロ意識を持って働くことが大切です。

能力のある女性であれば、子育てと両立しながら働いて欲しいという企業は多いので、配偶者や家族と話し合って良い関係を作りながら、再就職にチャレンジしましょうと結んでいました。

 

【第二部】

女性活躍推進 徳島県視察旅行経験談

森松工業株式会社 社長室 主任 中島千賀子さん

6/30-7/1にかけて、岐阜県9名、愛知県3名、滋賀県1名、徳島県2名(内訳:企業8名、行政5名、教育2名)の参加者で徳島県の女性活躍の現状を視察にいった模様を報告されました。

森松工業株式会社 中島千賀子さん

森松工業株式会社 中島千賀子さん

徳島県は女性の管理職比率が全国1位の県で、岐阜県はワーストタイという全く逆の状況です。結婚・出産で女性が辞めない「女性活躍の先進県」の徳島にどんな秘密があるのか現場を見てみたいということで企画されました。

特徴ではないかと感じたのは、「産・官・学の連携が進んでいる」こと。「産・学」の意見や希望を「官」が施策に上手に反映し、また、「官」の施策を「産・学」が協力して推進する力が強いと感じたそうです。

さらに、イベントを実施したら、効果を検証するPDCAサイクルがきちんと回っているとも感じたそうです。

そして、大切なのは、行政任せにせず、自分ごととして捉え、実施していくという覚悟だと結論づけていました。

大塚グループの取り組みを紹介しながら、大塚製薬のダイバーシティが進んでいるのは、「トップのはっきりとしたメッセージに向かって、できることをひとりずつ取り組んできた」結果だということです。

もう一つは徳島県の独特の風土。「家に女性が二人いるなら外で稼ぐ」というように、男性や地域社会に、女性が働くことへの抵抗感がないという特徴があるようです。

女性活躍の進んでいる徳島県の視察を終えて、発表者の中島さんが感じたのは、先進県や先進企業でも女性活躍推進に取り組みだしたのはここ数年。それほど大きな差はないのではないか。だったら自分達にも実現できるはず!20160909006

「女性が働きやすい会社」とは「社員全員が働きやすい会社」であるので、女性活躍推に取り組むことで、企業の成長につながると確信したと発表されました。

最後に、ご自身の取り組みとして、「現状を理解する」「ネットワークを広げる」「人任せにしない」と力強く宣言され、視察旅行の発表を終えられました。

 

【第三部】

ワークライフバランスを考える(グループディスカッション)

一テーブル3人から4人となって、ディスカッションが行われました。20160909009

企業でのありがちなワークライフバランスでの課題について考えた後、それについてテーブルごとに意見を交わし合うというスタイルでした。

各社それぞれの課題や、他社での取り組み方について、およそ30分間でしたが、活発な意見を交換していました。

私も一つのテーブルに加わって、そのディスカッションをお聞きしました。

・時短制度はあるが、取りづらく、結局フルタイムで働いている人が多い

・仕事の情報共有化は、どの部署でも必要20160909007

他、自社の課題を率直に話し、他社の取り組み、考え方へ細かく質問をするなど、非常に積極的なディスカッションが繰り広げられました。

 

行政と民間企業が協力して場作りをし、参加者は第一回よりも増えているとのことをお聞きして、現場で働く女性社員が自分ごととして実感する取り組みになっているのではと感じました。
女性活躍推進は、企業の経営戦略の一環として経営トップが方向性を示すだけでなく、このように社員一人ひとりが自分に何ができるかにアンテナを立てて、意識することで格段に進むと感じます。
この取り組みは、その力強い一助になるのではと感じました。

 

【取材・記事:篠田寛子】

 

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