インタビュー【株式会社パソナ チーフ 小坂ななさん】

今回お話を伺った方

株式会社パソナ チーフ 小坂なな さん

1976年の創業以来変わらぬ「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、人々の多様な価値観やライフスタイルに対応できる働き方を提案、雇用創造に取り組んでいる株式会社パソナ。チーフとして生き生きと活躍されている小坂ななさんに、ご自身のキャリアライフと女性リーダーが働きやすい環境についてお話を伺いました。

社の事業内容を教えてください

当社グループは、不変の企業理念のもと、「ソーシャルソリューションカンパニー」として、クライアント(顧客)に対して、

人材派遣、採用支援、再就職支援、人事コンサルティングなどの人財に関するあらゆるご支援と、
企業の福利厚生、健康管理、など社員のワークライフバランスの実現をサポート。
更には人材育成プログラムのご提案まで、
人々の多様な価値観やライフスタイルに対応できる働き方と雇用創造をご支援しています。

当社が創業したきっかけは、「子育てを終えて再就職を希望する女性たちを応援したい」との思いからでした。

一度家庭に入った後でも、子育てをしながらでも、雇用形態・企業規模などにかかわらず、すべての女性が正社員と変わりなく働くことができ、福利厚生・教育研修・健康診断を受けられ、「格差」なく安心して働ける仕組みを作ってきました。

そして、年齢・性別を問わず、誰もが個々のライフスタイルにあわせて活躍できるよう「多様な働き方」を創ってきました。

 

ー「時間が限られているからこそ、仕事の効率が上がるんです」ー

 

●Career Story Of Her

 

一日のできごとを娘と報告し合っていて、仕事へ理解をしてくれています。

2003年に新卒で入社しました。
就職活動の折、人事の方の対応が大変すがすがしく笑顔だったこと、その後インターンシップで何人かの社員の方とお会いしましたが、誰もが人に対する接し方が変わらず、安心できるなと思ったことが入社の動機です。

その後、結婚・出産をし、産休・育休を経て復帰しました。

当社は、産休を取った女性社員は100%復帰をしています。

また、職場の上司やメンバーの理解を得られていて、女性が大変働きやすい環境なんです。

 

-社内制度にはどんなものがありますか?

当社には、「特別勤務制度」(※)というものがありまして、
9時から17時半勤務、残業は無しという制度です。更に時短も可能です。
((※)30分単位・最大2時間30分まで勤務時間を短縮できる。最大で子供が小学3年生まで活用可能)

私は、この制度を利用している最中ですが、今から1年半ぐらい前に、チームメンバーの異動で、業務が増え、その上チーフが育休に入り、チーフ代理を任されました。
ただでさえ、時間が限られる中で仕事をこれ以上増やすのは大変ではあったのですが、何とかやり方を工夫してやってみようと考えました。

それまでは自分が抱えている業務に集中していましたが、メンバーに仕事をどう任せるか、振り分けるかを考えるようになりました。
そこで、更に仕事をどう創り出していくかまで意識して、能動的に仕事への取り組み方を変えたんです。

私のターニングポイントになったと思います。

昨年の6月にチーフになってからも、チームで仕事を創り上げていくことを楽しんでいます。
子供を迎えに行く時間までという限られた時間の中で働く方が、仕事に集中でき、効率も上がると思います。
メリハリをつけざるを得ないですから。

私は、この特別勤務制度のおかげで、仕事への取り組み方を変えることができたと思っています。

 

-ご家族の協力は?

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実は復帰した2ヶ月後に、夫が単身赴任で東北に行ってしまい、シングルマザー状態になってしまいました。
ですので、実の母の協力を仰ぎ何とかやれたというのが実情です。
現在娘は5歳ですが、今後小学校低学年のうちは、又母の手を借りることになると思います。

当社には家族サービスのイベントもあり、私の娘も何度も会社に来ていて、私の働く姿を見ています。
又、一日のできごとを、二人で報告し合うということを日課にしていて、会社であったことも積極的に話しています。

その影響からか、「お仕事、がんばってきてね」と私を応援してくれていますし、
自然にお手伝いもしてくれるようになりました。

 

-今後の夢は?

「子育てしながらでも、キャリアアップができ、充実して働けるためのサポートをしたい!」と思っています。
時間が限られ、大変な中でも、どういう意識を持って取り組めばいいのか。
実際に経験した私だからこそできる役割だと思っています。

 

保育所だけでは足りないんです。もっとゆとりが持てるサポートが必要です。 

-日本の女性リーダー育成に必要な環境は?

まずは会社側の受け入れ体制の整備。そして保育所が必須ですね。

更にもう一つ重要なのは、保育所以外のサポートです。
なぜかと言うと、保育所だけの手助けでは余裕が無くてお母さんが疲れてしまうんです。

子供が病気の時やイベントごとの時には特に実感しますが、そうでない日常でも、会社と保育所と家だけで回そうとすると、本当に余裕がありません。
1割でも2割でもいいから、精神的、肉体的ゆとりが持てるように、旦那さんが早く帰って手伝えるような制度や、手伝ってくれる人やサポート体勢が必要です。

ゆとりを持って働けば、仕事へのモチベーションも保てるし、アイディアも湧きますから、良い仕事もできます。
ですから、ゆとりが持てるようなサポートは、外部でも、身内でもいいので、必要だと感じますね。

それから、私には入社以来ずっと相談に乗ってくれる女性の上司がいます。
「がんばってる人には絶対誰かが手を差し伸べてくれるからね」と励ましてくれたり、私が落ち込んでいた時には、ご自身がミスしたことを赤裸々に話してくださって、心から助けられました。
そういうメンターのような存在も必要だと感じています。

 

-日本の女性リーダーに必要なスキルとは?

子供がいて働いている女性の中には、周りに遠慮している人が見受けられます。
残業できないから会社に貢献できないとか、時短を申し訳なく取得するとか。
そうではなく、限られた時間だからこそできるやり方を能動的に創り出せばいい、そういう意識を持つことが大事だと思います。
周りが特別視しないということも重要ですが、女性自身が自信を持って仕事に向き合うという意識改革も必要だと感じています。

 

小坂ななさんのライフスタイル

毎朝出かけるまでにしていること

6時頃:起床。
朝食用意。出勤の準備。娘を起こし、着替えさせて一緒に朝食。
洗い物を済ませ、掃除機をかけた後、保育園へ送迎。その後出社。
「汚れた部屋に帰ってくると気持ちが落ち込むので、毎朝掃除機をかけることにしています。」

帰宅後の習慣

17時半:退社。子どもを保育園にお迎え。夕食。
娘は必ず9時には寝かせるようにしていて、自分もなるべく睡眠時間を取るように心掛けています。
たまに一緒に寝てしまうことも。
「娘とは一日にあったことを、お互い報告し合うことを日課にしています。
娘はファミリーデー(職場見学会)や運動会などで会社に何度も来ているので、社員の名前も把握していて、○○ちゃんがこんなに活躍したんだよとか、そういう話もわかるんですよね。
今日は何を言おうかなと一日を振り返るのも楽しいんですよ。」

モットーは?

心がけているのは「何事も笑いに変える」ということですね。

マイナスに考えるのではなく、前向きに取り組めば、必ず道は開けると思っています。

毎日会社に来るのが楽しくて仕方がないんです。

周りの社員からも、いつも生き生き、楽しそうだねと言われています。

 

■企業情報

名称/株式会社パソナ

代表者/代表取締役会長CEO 南部 靖之、代表取締役社長COO 佐藤 司

創業/1976年2月16日

グループ会社/連結子会社52社。持分法適用会社5社

従業員/連結7,908名(2015年5月末現在)

URL http://www.pasonagroup.co.jp/

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