- 2017-12-6
- 独自取材
今回お話を伺った方
株式会社バッファロー 共通技術部 デザイン課
プロダクトコミュニケーション係 小粥 麗香 さん
株式会社バッファローにて活躍されている小粥麗香さんに、ご自身のキャリアライフと女性の働き方への想いについてお話を伺いました。
ー御社の概要を教えてください
弊社は、インターネットを快適に活用するための、パソコン及びブロードバンド関連機器の開発・製造・販売及び関連サービスの提供を行っています。
また、無線LANの設置などを行うインターネット訪問設定・設置サービス事業、パソコンとデジタル家電を融合するホームネットワーク事業を行っています。
製品の使いやすさの追求、学生とのデザインコラボレーションといった取り組み、被災地への支援など社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
女性を支える支援としては、今までは時短は子供が3歳になるまでだったのですが、今年の10月から6歳まで取れるようにし、1時間休を取得できるようにするなど、徐々に拡充しています。
女性の管理職がまだまだ少ないので、まずは一般職から総合職に移行し、管理職候補の方々を増やすことに注力しています。
(持株会社、株式会社メルコホールディングス 中山千里さんの記事をご参照ください。)
ー子育てとの両立が、キャリアに良い方に働いています。ー
●Her Career Story
残業できないことから、人を頼ることができるようになりました。
アパレル系の専門学校を卒業後、アパレルメーカーで洋服のデザインをしていましたが、会社の業績が悪化してしまい、違う世界を見てみようと思って26歳の時に転職して入ったのが弊社です。
入社当初はサプライ品(PC周辺機器)の企画の部署にいまして、私がアパレル出身で布地などテキスタイルに強いということでタブレットのレザーケースなど、アクセサリーを担当していました。
2013年に産休、育休を取得して、2015年4月に復帰。販売促進課(現プロダクトコミュニケーション係)に配属になりました。
携わっているのは、「おもいでばこ」(http://omoidebako.jp/)というデジタルフォトアルバムの広報と、会社全体の総合カタログの編集です。
特に「おもいでばこ」については、いくら良い物を作っても、お客様に良さが伝わらなければ意味が無いので、イベントやSNSなどで直接お客様の話を聞くことで、商品開発に活かしています。
実際にお客様から「買って良かったわ」という声をいただくことがうれしいです。
-キャリアのターニングポイントはいつですか?
育休復帰の時が大きなターニングポイントになりました。
ちょうど子供ができたときは仕事も忙しく楽しい時期だったので、ここで休むのは残念だと思っていましたし、前職も含め、ずっと物づくりに携わってきましたので、できれば同じ仕事で復帰したいと思っていましたが、どうなるかわからなかったのも不安でした。
そのため、復帰後販売促進課に配属になると決まった時には、随分悩みましたね。
それで私より前に同じようにサプライ事業部から販売促進課に異動された方がいたので相談したんです。
「今の小粥さんだったら、経験が活かせると思うよ」と言ってくれて、その言葉に勇気づけられ、一歩を踏み出せました。
実際に、「おもいでばこ」のお客様にはお子さんがいるお母さんが多く、たくさん撮影した写真の整理に困っている方々です。同じく子育てをしている私が自分の子供を写した写真を「おもいでばこ」を使ってどうやって整理しているか、どう楽しんでいるかをイベントでデモンストレーションを行ってお伝えしています。
実体験ですから、共感も得やすく、話もしてくれやすいと感じています。
私の場合、育休中家で一日中子供と二人きりで居ると、余裕がなくなってしまい、ついイライラして子供に怒ってしまったりすることもありました。
むしろ復帰して、母としてだけでなく、会社員としての自分がいることで心身のバランスが取れているように思います。
-周りの人の協力は?
家族の協力が無ければできないです。
夫と保育園の迎えや家事なども分担して子育てしています。二人共土曜日に出勤することがあるのですが、そういう時には実家の母が手伝ってもくれます。
どうしても子供に接する時間が少なくなって、遊ぶ時間が減ってしまいかわいそうだなと感じることもありますが、出掛ける前にハグするようにしたり、一緒にいる時は精一杯愛情を掛けるようにしています。
そして、一緒に仕事をしている仲間からの協力もありがたいです。
子育てとの両立をしていると、行事ごとや病気の時に休まざるを得ないこともあるので、情報を常に共有するように心がけていますし、忙しくなりそうな場合はあらかじめアラートを出すようにし、他の部署の方に手伝っていただくこともあります。
子供を産む前は、何でも自分で解決しようと残業したりもしていました。
しかし今は、残業ができないという前提で取り組むので、とにかく頼れるところを増やそうと考えるようになり、各部署に協力してもらえる人ができました。
今から思えば、もっと頼れば良かったなと思います。
部署を変わって別の見方ができるようになったこと、仕事の効率化をせざるを得なくなったこと、人に頼るようになったことなど、子育てと両立しているからこそ見えてくることがあるなと感じます。
そして会社の協力体制としては、最近は特に女性が働きやすいようにするにはどうすればいいか考えてくれています。制度面や昇進などの人事面でも男女の差が無くなっているように感じますね。
数年前から上司を通さず、待遇や働き方について要望を直接人事部に伝えられる全社員アンケートが始まりました。
直接改善要望が言えて、フィードバックもきちんとしてもらえるので、より働きやすくするために私が気づいたことを伝えていこうと思っています。
リーダーにはバランス感覚と正しく情報を収集する能力が必要です。
-日本の女性リーダーに必要な環境・スキルとは?
女性の方がバランス感覚が優れているように感じます。
例えば多部署間での調整や、個性の強い方々をまとめていく時にバランスは非常に重要だと思います。
又、リーダーには幅広い知識と判断力が必要だとも思います。
特に弊社の業界では、新しい技術がドンドン出てくるので、情報収集を正しく行うことが必須です。
技術面に限らず現在は情報のあふれている時代ですから、沢山の情報の中から、必要なものを見極めて判断いくことがリーダーには必要なのではないでしょうか。
小粥麗香さんのライフスタイル
毎朝出かけるまでにしていること
毎日5時45分に起床。1時間ほど筋トレをするなど自分の時間を取っています。
息子を送り出す際には、必ずハグをしてから送り出します。
帰宅後の習慣
保育園に迎えに行き、食事を作ってと一通りの家事をすると、一日が終わります。
■企業情報
名称/株式会社バッファロー
代表者/代表取締役社長 井上 武彦
創業/1975年(昭和50年)5月1日
社員数/454名(2017年3月末現在)