- 2016-2-5
- 独自取材
2016.2.4 13:30-17:00 名古屋市の中日パレスにて
愛知県主催のイベントで、内容は以下の通り
1.平成27年度愛知県ファミリー・フレンドリー企業 表彰式
2.「あいちワーク・ライフ・バランス推進協議会」による「あいち仕事と生活の調和行動計画2016-2020」の紹介
3.基調講演「ワーク・ファイフ・バランス ~仕事も家庭も一生懸命~」 弁護士 菊池幸夫氏
4.中日新聞社 取締役 林寛子氏の講話
5.表彰企業による取組事例紹介とパネルディスカッション
2の「あいちワーク・ライフ・バランス推進協議会」による「あいち仕事と生活の調和行動計画2016-2020」の紹介の中で話された、協議会座長の吉田良生氏(椙山女学園大学 教授)の話の中で印象に残ったのは、
『イギリスやドイツと比べて圧倒的に長時間の労働をしている日本人は、自身の生活への満足度は低い。しかし、残業をしていない人同士で調査すると、実は日本人の方が満足度が高いことが分かっている。つまり、長時間労働が緩和されれば、日本人の自身の生活への満足度は底上げされるはずだ。』
『育児中の奥さんのストレス度合いが一番下がるのは、お皿洗いや洗濯物を手伝うことでも無い。旦那さんが目を見て話をゆっくり聞くことだ。だから、旦那さんが早く家に帰れるようにすることが大切。』
3の菊池弁護士による講演で印象に残ったのは、
『時短や育休など、制度をいくら作っても、それを運用する意識が問題。』
『長時間労働を無くしたとしても、空いた時間家庭でどう過ごすか、家でゲームしかやっていないとかでは意味が無い。そのためにライフをいかに過ごすかを考える必要がある。』
4の林さんの口話で印象に残ったのは、
『人生の長いスパンで考えれば、一日に仕事が占める割合が80%という時もあれば、家庭が70%という時もある。組織全体でそういう色んな人達が組み合わさって成り立てばいいのではないか。』
5のパネルディスカッションで印象に残ったのは、
大企業じゃないと、ワーク・ライフ・バランスは取り組めないのではという意見に対して、社員50名の名古屋総合システム株式会社の社長が言った言葉。
『優秀な社員を採用するためには、会社がワーク・ライフ・バランスに取り組んでいて、社員全員がそれを実感していることが大事。』
社員個別の事情を汲むのは大変と感じないかという質問に、トヨタホーム株式会社の人事担当者は
『多様化している価値観、子育てしている女性社員に住みやすい家の感想を聞くこともできる。そういう視点が商品作りに反映していることは確か。』
ワーク・ライフ・バランスの制度を取り入れるに当たって、苦労したことはという質問に、アイシン精機の人事担当者は、
『ワーク・ライフ・バランスは漢方薬。じわりじわり効くもの。これは経営政策だと位置づけて取り組んでいるので、苦労と感じたことはない。』
企業の規模ではなく、会社全体で社員のライフも含めた人財をどう捉えるか、どのように大切にするかという方針が制度に現れるなと感じました。
取材:篠田寛子