インタビュー【株式会社ママプロ 代表取締役 木村 麻理 さん】

今回お話を伺った方

株式会社ママプロ 代表取締役 社会保険労務士 木村 麻理 さん

株式会社ママプロで代表として、社会保険労務士としても活躍されている木村麻理さんに、ご自身のキャリアライフと女性を支える想いについてお話を伺いました。

社の事業内容を教えてください

各士業との提携によるキャリアママ達のチームワークで、最短で最適な事務処理および、企業の業務プロセスのご提案をしています。

具体的には、

  • 事務代行
  • 商品体験モニターなど、ママの声を調査するママリサーチサービス
  • 産休・育休・介護休業コンサルティング業務
  • 補助金などの申請
  • 面接コーチング

株式会社ママプロは、経済産業省における「地域需要創造型等起業・創業促進事業に係る助成金」の採択を受け、2013年7月に設立したママ達が集う会社です。

ママプロでは、企業さまのお悩みを解決することをモットーとしていまして、

仕事と子育てを両立できる働き方の実現のため、世の中に眠っている有能なママたちと上手に時間をシェアしながら、チームで事務処理や雑務処理を代行しています。

 

ー子育て中でも仕事をして社会とつながることで、むしろ心が安定するのではと思います。ー

●Career Story Of Her

 

その人の持っているものを引き出す「エンパワーメント」をやっていきたいです。

結婚後も働くからねと主人と約束し、社労士の資格を取りましたが、妊娠後3年ほどは専業主婦をしていました。

そして、子育てを手伝ってくれる親が近くにいなかったので、仲間と助け合えたらと、長女が2歳児の時に親子交流サロン「かばさんファミリーの会」を設立。同時に社会保険労務士事務所も開設しました。

親子交流サロンを開設してわかったのは、出産後仕事に復帰したいが悩んでいる女性がたくさんいるということでした。

最初は仲間同士助けあっていれば良いと思っていましたが、だんだん悩み多き女性を支援する立場となり、子育て支援拠点事業として市から委託を受け、地域子育て支援拠点「おやこYYひろば」を開設して、その後NPO法人化。

その活動を通じてママさん達が働く機会を作るサポートしようと思い立ち、NPO法人の代表を降りて、平成25年に、ママの短時間就労支援を行う株式会社ママプロを立ちあげました。

そして、もう一つの柱が、「地域づくり」です。

私が住んでいる岐阜県山県市は、過疎化が進んでいます。しかし、山県の地域資源と呼ばれる自然や伝統文化は、その過疎地域に存在していました。それは本当にもったいなく感じました。そのような地域のお母さんたちの想いに応えるべく、農家レストランの開設に協力したり、未婚の長男の多い地域を中心とした婚活事業、自然体験や田舎体験イベント、そして株式会社ママプロでも地域にママの力を。ということで昨年度から主婦のインターンシップ事業を行っています。

田舎ならではの強みを活かし、仕事、保育、住居、見守りなどの環境を整えて、田舎で暮らしたい若い夫婦やシングルマザーに移住してもらいたいです。

子どもの声のしない街ほど寂しいことはありませんからね。

この「地域づくり」の活動は、主にNPO法人山県楽しいプロジェクト(やまがた舎)という形で、平成25年より実施しています。

女性支援にもなり、「地域づくり」にも資することに、今後特に力を入れていきたいと思っています。

 

-なぜ女性支援をしようと思ったのですか?

株式会社ママプロ 木村麻理さんサロンをしている時に、主体的に生きている女性ばかりではない気がしたんです。

育児や家事は、やって当たり前とみなされてしまい、彼女たちの「承認欲求」も満たされていないように感じました。

そこで、少しでも社会に出て、「貢献感」を持つことが、心の安定に繋がるのではないかと思ったのです。

私は社会保険労務士でもありますので、中小企業とのつながりがあります。

社員を雇うほどの事務分量はないが、業務が進まなくて困っている企業。

逆に短時間でも自分の力を社会で活かしたいママ達。

両方をマッチングすれば、より良い働き方を作っていくことができると考えました。

特に子育て支援NPOでワークシェアを進めれば進めるほど企業側は経営戦略として、女性側は多様な働き方ができる、社会にとって重要な方法だと確信しました。

10年前からワークライフバランスの大切さを訴えてきた私にとっても、社会保険労務士としての仕事と女性支援の仕事がつながってきて、うれしいですね。

私が目指す地域の在り方には、「エンパワーメント」が欠かせない要素だと思っています。

その人の持っている力を引き出す。子どもも地域も、社会も良くなる。

その想いの元に、日々活動しているんだなと感じます。

そうそう、山県市で婚活事業を始めたのは、地域の活力を取り返すこともそうでしたが、結婚相手を主体的に選ぼうよという考えからです。

生涯ずっと働きたい女性が、奥さんが働くのに反対な人と結婚してしまったら、彼女の力は発揮されないことになってしまう可能性があります。

そしてまた、家庭での夫婦間のコミュニケーションは、仕事で周囲とうまくやっていくための基礎でもあります。

夫婦間での日々の交渉などは、、仕事での交渉ごとにも必ず役に立ちます。

ぜひ結婚相手を選ぶことも、その後の結婚生活も主体的につくっていく、「愛する」人生を目指していただければと思います。

面倒と感じることもありますが、NPOやママプロの事業は、行政との協働で行うことが多く、今後も女性だけをサポートするのではなく、地域も、社会も、全部が良くなるにはどうしたらいいかを常に考えて動こうと考えています。

そのためには、時間がありませんので、日々一石三鳥を目指しているんですよ(笑)。

 

 

何がやりたいか、はっきりと認識していること。その想いが人を動かす力となる。 

-日本の女性リーダーに必要なスキルとは?

何がやりたいかをはっきり認識していることでしょうか。

その意思があれば、人を動かすことができます。

しかしながら、意思があっても表に出て来られない、あるいはその意思に気づいていない女性もいます。

そういう方は、子育て支援の場などを活用して、積極的に情報を得てもらいたいですね。

きっかけがあれば、その想いに気づく人も増えると思います。

そして、まきこむ力です。

自分にはできないことをお願いして、まきこみながらも、やり遂げること。

私も周りのサポート無しではとてもできません。優秀な方々の力を借りてやってこられています。

それから、現在37歳以下の男性は、子育てや家事を自然にこなせるのですが、それには訳があると思っています。

その世代から男性も家庭科が必修となったからではないかと感じています。

ですから、家事をすることにも抵抗が無く、男女同等という考え方が根付いているのではないでしょうか。時代は徐々に変わっていると感じています。。

教育が大事だということですね。ダイバーシティがうまくいくには、教育も欠かせない要素です。

中高校生ぐらいからのキャリア教育が必要だと感じます。

 

■企業情報

名称/株式会社ママプロ

設立/2013年7月25日

代表者/代表取締役社長 木村麻理

URL http://g-mamapro.jp/

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