6月8日午前10時から12時半、三重県津市にある、※三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」の育休ママのつどい『子どもができたあなたへ、―育休中に描くママのこれからの働き方』セミナーを見学させていただきました。(※三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」については、こちらをご覧ください。)
対象者は現在産休・育休中の女性または産休・育休取得予定の妊婦。10名参加の会でした。
参加者は3つのグループに分かれて、三重県内で子育てをしながら働き続けている女性お二人と、この事業の企画者の三人が先輩として一人ずつグループに加わり、ディスカッションして進めるという形です。
このセミナーの目的には
・仕事と育児のバランスをうまくとり、軌道にのせていくための工夫、リスク管理、夫との家事分担
・両立生活で磨かれるWLBの意識やタイムマネジメント能力は仕事に活かされる
・民間の預け先など社会資源についての情報提供や退職、継続して働く場合の生涯賃金の比較
などといったメッセージや情報を伝えて、復帰後の働き方を考えてもらう時間とすること。
そして、セミナー中は託児も併設されており、今まで子どもを他人に預けたことの無い人の経験の場となるとともに、子どもと離れて自分の復帰後の働き方にじっくり向かい合うことも目的とされていました。
ロールモデルとして参加されたのは、パナソニック株式会社の長澤麻衣さんと、ミサワホームイング関西中部株式会社の水藤果林さん(以前このサイトで取材させていただいた記事はこちら)。
各グループで話されていたことは、現実的ですぐ実行できそうな話ばかり。
保育園をどう選ぶか、復帰後職場で心がけていること、子どもの日常の様子、キャリアのことなど多岐に渡りました。
長澤さんは復帰して二年目、水藤さんは中学生になるお子さんと三ヶ月の乳児がいらっしゃるので育休の真っ只中でもあります。
彼女たちが実際に体験されたことを赤裸々に話され、参加者からは質問が途切れず、時間を超過して大変盛り上がりました。
特に初めての育休取得で来年4月の復帰を目指されている女性や、妊婦さん達は、保育園が決まるかどうか、決まらなかったらどうしたらいいか、今準備できることは何かなど、漠然とした不安をたくさん抱えている様子。
それに対して先輩ママ達が、地元の情報を織り交ぜなから、「○○には登録しておいた方がいいよ」「希望の保育園を書く用紙には、私はこう書いた」と語る言葉は実体験に基づくものだけに、参加者の皆さんにとても響いたのではないかと感じました。
心に残ったのは、
「育休中は普段できないことをやった方が良い。異業種交流会や、勉強会には積極的に参加して情報を得たり、ママ友を作ると良い。」
「パートナーにも一日でも良いから育児休暇を取得してもらい、一日育児・家事をやってもらうと良い。育児の大変さを体験してもらえるし、パートナーの会社に小さな子どもがいると伝わるのも良い効果がある。」
「復帰したら、書類や仕事内容を整理してファイリング、誰が見てもわかるようにしておく。いつ何時休んでも、会社に迷惑を掛けないように段取りしておく。」
「自分が余裕がある時は、積極的に他の仕事の手伝いをする。そうすると自分が休まなければいけない時に周りが助けてくれやすい。」
「やってみれば何とかなる。」
「全て完璧にやろうとしないこと。目標の60%しかできなかったではなくて、60%の成果があったと考えてやっている。」
経験者だからこそ役に立つ工夫や体験談が多く飛び交い、参加者の方々はメモをたくさん取られ、次々と質問されていました。
実りある時間だった様子は、参加者の感想からも表れていました。
「不安なことばかりだったが、先輩方の言葉に励まされた。」
「同じような悩みを持つ人がいるとわかったことに勇気づけられた。」
「ついネガティブになりがちだったが、参加して前向きにがんばろうと感じた。」
不安を抱える育休中の女性達は、まだまだたくさんいます。
こういう場は、ママ同士のネットワークを作ることができ、情報を得ることによって勇気づけられるため、必要とする方々にもっと参加してもらい、子育てと仕事をイキイキと両立する女性が増えることを願います。
<文責:篠田寛子>