- 2016-7-11
- 独自取材
今回お話を伺った方
株式会社チョイスホテルズジャパン フランチャイズサービス部 ダイレクター 舘 光恵 さん
ホテル軒数世界第二位のホテルチェーンである「チョイスホテルズインターナショナル」とフランチャイズ契約を結び、国際基準のサービスを日本向けにアレンジし、コンフォートホテルを展開しているチョイスホテルズジャパン。ダイレクターとして活躍されている舘光恵さんに、ご自身のキャリアライフと女性リーダーへの想いについてお話を伺いました。
ー御社の事業内容を教えてください
当社の親会社である株式会社グリーンズは、昭和32年の創立。宿泊特化型ホテルを中心に全国主要都市へのチェーン展開を行うチョイスホテルズ事業と、幅広い業種・業態にてドミナント展開を行うグリーンズホテルズ事業を展開しています。
その株式会社グリーンズのグループ企業として、株式会社チョイスホテルズジャパンは、半世紀以上の歴史と世界第2位のホテル軒数(世界30カ国、 6,100軒)を誇る『チョイスホテルズインターナショナル』(本社米国)の有する4ブランドのホテルを日本で展開するために、平成12年に設立されました。
そのブランドの内、現在は、コンフォートホテルを全国に50店舗展開しています。
主な事業は、ホテルフランチャイズの加盟店の募集・指導・管理・運営です。
ー部下の天井を作ってしまわないように、自分が常に成長していく必要があると思っています。ー
●Career Story Of Her
悩みを抱えるのが苦手で、すぐに解決するか、どうしようもないことは忘れてしまうんです。
株式会社グリーンズに新卒で入社しました。
レストランの接客から始まり、フロント業務などの後、コンフォートホテル中部国際空港の立ちあげ時に店長として赴任。
当社でも空港隣接のホテルが初めてだったので、チェックイン、チェックアウトが24時間のホテル運営や各国からいらっしゃる方々への対応など仕組み作りは勉強になりました。
また、ホテルを全くゼロから立ちあげて、仲間と一緒に仕組みから作り上げることを経験できて、その後の自信となりました。
一年半後軌道に乗ったために、仙台に新しくできるホテルの立ちあげに携わりたいと手を挙げ、店長として関わらせていただきました。
そして、東海エリアの5店舗を担当するマネジャーを経て、本社の接客トレーニングをする部署に異動。
その後2012年にチョイスホテルズジャパンに異動し、現職です。
現在のフランチャイズサービス部という部署では、商品やサービス、具体的には商品開発や客室の品質管理といった全体の品質に関わる業務を行っています。
-キャリアのターニングポイントは?
ターニングポイントは、東海エリアのマネジャーになった時です。
それまでは一店舗のことを考えれば良かったのですが、多店舗を管理する管理職とは、一体どんな仕事をしたらいいのかわからず不安でした。
元々現場の接客が好きでしたから、現場から離れて何をするのか。
以前は、常に仕事のおもしろさを、無理矢理にでもその仕事の中で見つけるようにしてモチベーションを上げていたのですが、マネジャーになって、おもしろさを見いだせなくなってしまったのです。
そこで気持ちを切り替えました。
その中に見つけようとするから無理がある。
だったら、そこに自分でおもしろさを創り出せばいいじゃないか。
中に見いだせないならば、足せばいいと考えられるようになったのです。
そう気づいてから、自分発信で新しいことを始めるようになりました。
責任の範囲が広くなった分、やれることも増えましたし、何より大きな視点で見ることができるようになったんだと思います。
任期の途中でエリアに新しいホテルの開業もあって大変ではありましたが、元々ポジティブで、やってみるしかないと思う性格なことと、この考え方の変化は今の自分の基礎となったと思います。
そんな時期を超えて、現在の立場では、やりたいと思ったことを口に出して発言できる機会が多いので、それがやりがいになっています。
-社内制度にはどんなものがありますか?
人事制度は株式会社グリーンズグループのものが適用となります。
私もそうですが、男性女性関わらず、20代で店長を任され、キャリアも上がっていくので、仕事がおもしろくなってしまう影響か、管理職になっている女性はほとんど未婚です。
子育てと両立している方と比べると良いロールモデルにはなれないのですが、
これから産休育休を取得して復帰する方もいるので、そういう方々が働きやすいように環境を整えるのも私の役目だと思っています。
今私は、毎日19時に帰宅するようにしていますが、それは時間内に効率的に仕事をするように意識してそうしています。
産休育休後復帰される方が、時短や定時に帰らざるをえないのを後ろめたく思わないように、定時までに仕事をこなすのが当たり前なんだよという環境にしたいんです。
実は支援する制度はあるのですが、結婚したら辞める、子どもができたら辞める人が多いのが現状です。
まだ両立している例が少ないのもあって、働きやすい環境や気持ちに寄り添いづらいこともあるんだと思います。
子育てしながらも働きやすいと思ってもらえるように、周りの理解も含めて育てていきたいなと思います。
-周りの人の協力は?
仕事で忙しいなと、感じることもあります。
ただ世の中にはもっと大変な仕事があると思っているので、大学の同級生のがんばっている姿を見て、自分ももっとやれるはずと思い、心の支えにしてきました。
元々悩みをずっと抱えているのが苦手で、解決できそうなことはその方法を探すし、解決できそうもないことは忘れてしまうという具合です。
そのため、あまり大変だと思ったことはないんですよね。
視野を広く持つことが大事。そのためには外に積極的に出掛けて多様な意見に触れること。
-日本の女性リーダーに必要なスキルとは?
私もそうですが、女性は、自分の仕事に集中し過ぎる傾向があって、視野が狭いと感じています。
視野が狭い人は、自分の経験が全てになってしまって、それに当てはまらないと間違っていると判断してしまい、何か問題が起こると、自分ではなく、他に原因を求めたりします。
残念ながら他人を変えることはできません。
ですが、自分に原因を求めれば、自分のことは変えていけます。
それがリーダーとして成長していく基礎となると思います。
視野が狭いことを克服するためには、社外の声を聞く機会を持つこと。
特に男性の考え方や発想の仕方にたくさん接し、自分と違う意見をおもしろがってみたらどうかと思います。
そうすれば、多様な価値観を受け止めることができるようになります。
それには、相手が言っている言葉だけでなく、その人の背景や気持ちまで寄り添って聞くこと。
相手そのものに興味を持つことも重要だと思います。
舘 光恵さんのライフスタイル
毎朝出かけるまでにしていること
7時前:起床。7:45に家を出ます。
帰宅後の習慣
19時には会社を出て、通常20時に帰宅。
家に帰ってしまうと勉強できないので、週に2,3回は、外で晩ごはんを食べがてら勉強することにしています。
モットーは?
現在は週に1回マネジメントや会計などの経営の勉強に通っています。
ずっと同じ会社にいると、社会での自分の価値は客観的に見てどれぐらいなのかわからなくなります。
それを知るためにも社外の人と接し、勉強することは大事だと思います。
それに、この年齢になると、社内ではなかなか教えてくれる機会も少なくなりますしね。
また同時に、自分の能力を高めていかないと、部下の成長の天井を作ってしまうことになりかねないので、私自身が常に成長していくことは部下の成長のためだとも信じています。
仕事だけではなくて、プライベートも含めて全てにおいてロールモデルになれるような存在にならないとなと思っていますが、まだまだですね。
■企業情報
名称/株式会社チョイスホテルズジャパン
設立/平成12年9月
代表者/代表取締役社長 村木 雄哉
URL https://www.choice-hotels.jp/company/