インタビュー【株式会社FRONTEO 主任 佐久間佳恵 さん】

今回お話を伺った方

株式会社FRONTEO 行動情報科学研究所 先行開発部 解析技術開発課
  主任 佐久間 佳恵 さん

株式会社FRONTEO 行動情報科学研究所にて主任として活躍されている佐久間佳恵さんに、ご自身のキャリアライフと女性リーダーへの想いについてお話を伺いました。

 

御社の概要を教えてください

弊社は、2003年に設立され、リーガル事業としてデジタルフォレンジック(電子データの不正調査)、ディスカバリ(米国証拠開示制度)の分野におけるサービス提供から始まりました。

2012年より、リーガル事業で発展させたデータの解析技術を駆使し、独自の人工知能エンジンを開発。

2014年より、「KIBIT(キビット)」と名づけた人工知能エンジンを活用して、リーガル事業に加えてAI事業の展開を開始しました。

KIBITは、人の経験・感覚を暗黙知として学び、判断をサポートします。沢山のデータの中から欲しいデータを見つけ出すために、経験を持った人の判断を教師データとして学習させることで、その人と同じ判断基準で高速に情報を抽出することができます。

現在、「KIBIT」を活用したAI事業では、ビジネスインテリジェンス、ヘルスケア、デジタルコミュニケーションの3つの分野でサービスを提供しており、特許・技術調査やコンプライアンス違反のチェック、社員の離職・人材流出防止など、さまざまな形で60社を超える企業に導入されています。

 

ースペシャリストの力を活かすマネジメント側にやりがいを感じます。

 

●Her Career Story

 

いろいろな人と知り合うのが楽しく、それがマネジメント志向につながったのだと思います。

 

大学の理学部化学科、修士過程を終えた後、メーカーの材料研究の研究員として就職しましたが、手先の器用さの面で自分は向いていないなと感じていました。

一方労働人口が益々減っていく日本において、メーカーは業務をもっと効率化する必要があると感じ、日々模索していましたが、大きな会社だったので、若手の私一人が変えようと進言してもすぐには変わらないというところにジレンマも感じていました。

そんな折に、効率化を実現できそうな、FRONTEOの事業を見つけたのです。

このような世の中を変えていく仕事がしたいなと思ったこともあって、転職しました。

2017年7月に弊社に入って、現在はデータ解析と部長の補佐としてチームのマネジメントをしています。

基本的には研究所内で仕事をしていますが、お客さまや開発を一緒に行っているパートナー企業に赴くこともあり、社外の方と知り合えるのは楽しいですね。

前職と何が違っているかというと、朝こういう方針でやりましょうと言っていたことが、社外の要因などで状況が変化したことを受け、午後には違う方針に変わるなど、とにかく変化のスピードが早いことです。

社員も増えていっていますし、変化の早い会社ですので、新しいことにドンドン対応していく柔軟さがあることにはやりがいを感じます。

 

-どんなところが評価されて主任として入社に至ったと思いますか?

人工知能や解析の分野では経験が少ないので、私の場合は、マネジメント志向とコミュニケーション能力を買われて、採用されたのではと思っています。

前職では、会社の規模も大きく、研究だけをすれば物事が進むわけではなく、人の利害関係の整理や調整作業に意外に時間が掛かると実感していました。

入社3年目の時にたまたま配属された研究部署に直属の上司との間に主任クラスのメンバーがおらず、現場での調整役を任されて、年上で尚且つポジションが上の方や、工場で働く方々にお願いをしたり、調整をしたりといったことを経験しました。

調整には時間も労力も掛かりますし、たまにはどなられることもありました。

対立する人達の調整の場面で、不本意なのですが、「八方美人」と評されたりしました。

ですが、私は何かにぶつかっても心が折れないところがあり、また誰もがそれぞれの立場で良くしたいと思っていることにも気づきました。そして、目的達成のために利害関係者すべての立場を推し量ることが重要だと理解し、私に何か強く言うこと=頼ってもらえていると、うれしくも感じて、めげることはありませんでした。

やがて調整がうまくいけば、研究が進むことにつながり、頑張りがいがあるなと感じました。

そういう前職での経験を採用の時に着目してもらったのかなと思います。

 

-子供の頃はどんなことに興味がありましたか?

子供の頃はほぼ毎日何かの習い事をしていまして、クラッシックバレエ、剣道、水泳、ピアノ、そろばん、習字など様々なことをやりました。

実はその頃から広く浅くいろいろなことをやりたいという性分で、今も週末にはゴルフに釣りにと出かけています。

あれこれやってみることが楽しいこともありますし、いろいろな分野の人と関わることができるので人脈も広がります。時にはその人脈が仕事に役に立つこともあります。

そういう子供の頃からの性分が、現在のマネジメント志向につながっていると思います。

いろいろなことを知っている、興味があるということは、スペシャリストの方々を束ねるマネジメントに役に立つと考えているからです。

何かに秀でているスペシャリストも素晴らしいと思いますが、私はそういう方々の力を活かすマネジメント側にやりがいを感じます。

 

-将来の夢は?

変化の早い会社なので、これから益々人も増えていくでしょう。それぞれの人のキャリア形成の中で、もっとこうしていきたいという要望もあるはずなんです。

そういった声を組織に反映させることができるような立場になっていきたいです。将来的に、できればより責任のある立場になり、組織をもっと良くすることに携わりたいと思っています。

そのためにも、AIの知識を増やすこと、人の調整力をもっと付けたいと思っています。

そして、主体的に目的を常に意識して仕事をしていきたいですね。

会社に対しては、今より大きな組織になっても、現在のようなフレキシブルで柔らかいところ、スピード感があるところは残して欲しいなと思っています。

 

 

力強く引っ張るよりも、柔らかくまとめていく方がうまくいく場合が多いです。

-日本の女性リーダーに必要な環境・スキルとは?

感情のコントロールができること、他人の意見をすぐに否定しないこと。どんなことも目的をまず考えることが必要だと思います。

又、強く引っ張っていくよりも柔らかく寄り添いながらまとめていく方がうまくいくことが多いと感じています。

自分よりも知識や経験が豊富な人はたくさんいるので、教えてくださいという姿勢で、サポートに徹することも大切です。

コミュニケーションを取ることには女性の方が得意な人も多いように思うので、リーダーといったマネジメントにも向いているのではと思います。

 

 

■企業情報(平成29年7月現在)

名称/株式会社FRONTEO(フロンテオ)

代表者/代表取締役社長 守本 正宏

設立/2003年8月8日

社員数/日本本社単独:145名(女性比率は43%)

URL http://fronteo.com

 

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