インタビュー【みらいサポート三重 山口さおりさん・太田久子さん・S.T.さん】

今回お話を伺った方

みらいサポート三重 サービス管理責任者 山口さおり さん

みらいサポート三重 生活指導員 太田久子 さん

みらいサポート三重 生活指導員 S.T. さん

 

みらいサポート三重にてサービス管理責任者として活躍されている山口さおりさんと、生活指導員として活躍されている太田久子さん、S.T.さんに、ご自身のキャリアライフと仕事のやりがいについて、座談会形式でお話を伺いました。

 

ー御社の概要を教えてください
三重県から許可を受けた障がい者就労継続支援A型事業所です。

当所では、印刷会社様より依頼を頂いた校正や検査・封入作業などの軽作業、桑名市無形文化財の「桑名の千羽鶴」を心をこめて折る作業、そしてパチンコ向けのPOP制作や、販促デザイン、WEBサイトの制作を行っています。

身体・知的・精神に障がいをお持ちの方に就労の機会を提供するとともに、生産活動を通して個々のスキルアップを目指す取組みをしています。

2018年「みえの輝く女子プロジェクト」より、女性が活躍できる環境整備をしている企業として、認定・登録されました。

 

-これまでのキャリアを教えてください。

●山口さおりさん

福祉系の大学を出てから福祉関係の仕事をしています。

夫が転勤族だということと、子供が小さかったので、引越しを繰り返しながら転職しています。

こちらに入るまでは老人ホームやデイサービスなどの高齢者福祉の仕事を中心にしていました。

当施設の平成28年2月の開所に当たり、スタッフ募集の案内を見て応募し、サービス管理責任者の資格を取得させていただいて、現在に至ります。

下の子供が小学生になったので、今後は夫が転勤となっても、私はここに残って続けようかなと考えています。

障がい者支援は初めてだったので、できるかどうか不安ではありましたが、働きやすい環境の中で楽しくやっています。

 

●太田久子さん

以前は12年ほど子供服のデザイナーをしていました。

出産を機にしばらく専業主婦をしていましたが、子供が少し大きくなってきたので、働きたいなと思うようになり、

平成28年4月に入社しました。

職種は全く違うのですが、以前の会社で厳しく鍛えられたので、どこへ行っても働けるかなという自信はありました。

そのため、転職にあたっての不安はあまりありませんでしたね。

 

●S.T.さん

私も子供に合わせて働き場所を変えてきました。

こちらには平成29年2月入社です。

こちらに来る前は、別の運営会社の障がい者就労継続支援B型事業所に勤めていましたので、その経験も活かせるかなと思い、応募しました。

 

-現在の働き方を教えてください。

<山口さん> 施設の営業は9時から18時。私は9時から17時までです。

利用者さんは10時から16時まで、現在15名通われています。

私たちの仕事は、基本的には利用者さんが仕事がやりやすいようにサポートするといった形ですね。

私はサービス管理責任者としての事務作業もあるので、合間に書類作業も行っています。

<Sさん> 9時から16時までのパート勤務です。

利用者さんは一人ひとり個性が違い、得意なこと苦手なことがあります。

納期が迫っていると、私たちも仕事を手伝ったりもしますが、主はサポート業務ですね。

障がい者のケアをしてるというと、周りの人から大変そうだと思われることがありますし、病気の知識や勉強がたくさん必要とも思われがちですが、一人ひとり症状が全く違うので、こういう病気という知識で決め付けてはいけないと聞きました。

むしろ、一人ひとり接する中で、どういう声掛けがいいかとか、どういう向き合い方がいいかを感じ取って、接することが大事のようです。

<太田さん> 9時から15時までのパート勤務です。

入ってくる仕事の内容と納期と、利用者さんの特徴とを組み合わせて段取りをするのが大変でもあり、おもしろいです。

たとえば、仕事のスピードが速い人とゆっくりとした人がいる場合、速い人ばかりがやってしまうと、他の人は仕事が無くなってしまいます。

そうならないように、まんべんなく皆さんが仕事に携わっている状態を作りつつ、納期に遅れないようにするわけです。

納品したら、その組んでいたパズルが無くなり、今度はまた一からパズルを組み合わせていくという、まるでゲームのテトリスのようですね。

 

-これまで苦労はありましたか?

<山口さん> 仕方がないことですが、夫の転勤の度に、慣れた仕事を辞めざるをえないことは嫌でしたね。

ただ、子供が小さい頃は、夫の転勤に帯同するのもやむなしと思っていましたが、2人共小学生になったので、今後転勤があっても、帯同しないと決めています。

<太田さん> 以前の職場に勤め始めた頃、上司が厳しい人で、辞めたいと思ったことがあります。

直属ではない上司の方から「絶対にやめたらいけないよ。デザインはこれからおもしろくなっていくんだから。」と声を掛けてもらって踏ん張れたという経験があります。

それが仕事に対する分岐点だったなと思います。

仕事量はとても多い職場で、苦しいことも多かったのですが、振り返ると様々な経験をさせてもらいましたし、技術も身につけることができました。

会社という組織にいたからこそ経験させてもらえたので、本当にありがたいことだなと思います。

そういう体験があるので、どんな仕事もできそうな気がするんですよね。

<Sさん> 子供が小さい頃は病気で休むと言いづらかったこともありますね。

5.6年前までは、私が住んでいる地区は学童保育がまだ整っていなかったので、お昼までの仕事や内職をやっていたこともあります。

ただそういうものだと思っているので、それを大変と思ったことはないですね。

 

-仕事のやりがい、楽しさはなんですか?

<山口さん> 現場の業務のやり方や管理も、かなり自由に任せていただいていますので、3人で話し合いながら仕事の段取りや、休みの調整も行っています。

トラブルがあったり、迷った時には、いつでも社長が相談にのってくれるという安心感がある中で、自分たちで工夫しながらやらせていただけて、とても働きやすいですね。

働いている私たちのチームワークもそうですが、利用者さんのチームワークも良くなるように気を配っています。

利用者さんに悩みがあったら、私が特別に何かできるわけではないですが、話を聴くことによって、少し緩和されて、皆が楽しく通ってきてくれるようにならばいいなと思っています。

ただ悩みがわからないこともあるので、難しいことでもあります。

そういった時には、三人で話し合ったりして、解消しています。とてもいい仲間です。

<太田さん> 仕事の目標を達成し、売り上げも上がったなと感じる時です。

最初は難しくてできるかなと思っていた仕事に、皆さんも慣れていってできるようになったりするのを見るのもうれしいですね。

また、こちらで「TSUNAGARU ORIZURU® http://www.orizuru49.com/ 」というブランドアイテムを製造・販売もしていて、そこで使う折り紙のデザインも担当させていただきました。

前職で身につけたことが役に立って、うれしかったですね。

<Sさん> 以前の職場に入る時、障がい者に対する仕事は、私にはとてもできないと思っていました。

夫も続かないだろうと言っていたのですが、今は病気のことを調べたりしている自分にびっくりしています。

やれることの幅が広がったのがうれしいですね。

子供が小さい頃や次の仕事が決まるまでの間など、仕事をしていないブランクはあったのですが、外に出ていない時は、声が出ない感じがします。

仕事している時の方が自分らしいのかなと感じています。

 

-自分のためにやっていることはありますか?

<太田さん> 実は仕事をしていること自体が楽しいです。家族も知らない自分の時間なので、素の自分に戻れるように思っています。

家に帰りたくないと思うこともあったりして(笑)。

たとえば、宝くじが当たったから、もう働かなくていいよと言われたとしても、満たされるのは仕事をしている状態だと思います。

そもそも仕事で何か達成したり、経験がつめたりしていくのが好きなんだと思います。

<Sさん> 誘われてジムに通っています。友人と楽しい時間を過ごしています。

<山口さん> 子供を寝かせてからの時間が自分の時間ですね。

 

-大切にしていること。今後について
<太田さん> 女性は、結婚すると、生活環境を変わらざるをえないことが多いのですが、むしろ変われることがいいというか、柔軟に対応していけばいいと思います。

ポジティブに考える、考え方次第ですね。

生活に合わせて、仕事内容が変わったとしても、働いている空間や時間を自分の世界と捉えて働き続けることもいいのではないかと思っています。

将来子供が大きくなって、私がフルタイムでも働けるようになったら、夫がパートになって、家事をしてくれたらいいなと思ったりします。

ずっと働いていたいんですよね。家計がまかなえるぐらいの収入が伴ったらですけれど。

<Sさん> 二人目の子供が大学に入ったら、単身赴任の夫の所に行こうかな、どうしようかなと迷っています。

ただ新しい場所に行って、仕事が見つかるかどうかは不安ですね。

<山口さん> まだ現実的に可能かどうかわからないのですが、精神保険福祉士という資格を目指してみようかなと思っています。

それが取れると、専門的な知識が増えて、アドバイスができる幅がもっと広がるかなと思います。

今は経験で仕事をしているのですが、きちんとした専門的な知識を身につけると、自信につながると思いますね。

できるだけ長く働きたいですね。働いている方が自分にとって自然です。

 

 

 

■企業情報

名称/みらいサポート三重

住所/〒511-0839 三重県桑名市安永1357-1 ビル3階

TEL0594-25-8567FAX 0594-25-8568

運営/株式会社みらいサポート

代表者/代表取締役 阿部 芳紀

設立/2016年2月

URL https://www.mirai-support.or.jp/mirai-suppor-mie

 

 

あとがき

◆インタビュー及び書き手: WinBEディレクター 篠田寛子
三人共、配偶者の転勤や子供の帰宅時間など、家族に合わせて働き場所を変えてきた方々です。それはつまり、何度も転職活動をしたり、新しい仕事や職場の人に慣れるための努力をしてきたということなので、働きたいという意欲をしっかりと持っていて、どんなことにも前向きに取り組む意識のあることが共通していました。

それを大したことではないと皆さんおっしゃっておられましたが、私はむしろ、たくましいとさえ思いました。

だからこそ、自分たちの勤務シフトは自分たちで組んだり、お客様と直接やりとりされるなど、任せても大丈夫と思われているのだと思います。

いろんな所での経験をキャリアとして積み重ね、今の職場に活かされている皆さんの芯の強さを感じた取材でした。

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